コダマコンサルティングが大切にする「伴走型支援」
コダマコンサルティングでは、お客様との出会いを大切にしています。それは、私たちが提供するのは、上から教える先生型のコンサルティングではありません。お客様と一緒に伴走し、共に成長するパートナー型のコンサルティングを実施するからです。
今回、ご紹介する事例は、単発での借入書類作成というシンプルなご依頼から始まり、最終的に経営者様の「想いの実現化」を支援する長期的なパートナーシップへと発展した貴重なケースです。
中小企業の経営者様の多くは、日々の業務に追われながらも、心の奥底に熱い想いやビジョンを抱いています。しかし、目の前の課題解決に追われる中で、その想いを具体的な行動計画に落とし込み、実現していく時間や機会が限られているのが現実です。私たちコダマコンサルティングは、そうした経営者様の想いに寄り添い、ビジョンの実現化をサポートすることを使命としています。
事例の背景:建設業A社との出会い
今回ご紹介するのは、建設業を営む法人A社の事例です。A社は地域に根ざした建設会社として、これまで堅実に事業を展開されてきました。社長は非常に前向き、かつ一生懸命な方で、地域の発展に貢献したいという強い想いを持っていました。
しかし、近年の建設業界を取り巻く厳しい環境変化の中で、様々な課題に直面されていました。原材料費の高騰、人手不足の深刻化、競争の激化など、多くの中小建設会社が抱える共通の課題を、A社も例外なく抱えていました。
特に、工事の受注から代金回収まで一定の期間を要するという建設業界の特性により、運転資金の確保は常に経営上の重要な課題となります。A社も、事業拡大への想いとは裏腹に、資金繰りの課題に頭を悩ませていました。
初回相談:元銀行員としての専門性を活かした資金調達支援
A社との最初の接点は、運転資金調達に関するご相談でした。社長から伺った希望調達額は800万円。この資金は、進行中のプロジェクトの円滑な遂行と、新規受注案件への対応に必要な運転資金として位置づけられていました。
そこで銀行で9年間培った経験を活かし、A社の資金調達をサポートしました。単なる書類作成代行ではなく、A社の事業の将来性や返済能力を適切に金融機関に伝えるための戦略的なアプローチを実施しました。
具体的には、財務諸表の分析から始まり、A社の強みや成長ポテンシャルを明確に示した事業計画書の策定、机上の空論ではなく現実的で説得力のある返済計画の作成まで、総合的なサポートを提供しました。元銀行員としての視点から、金融機関が重視するポイントを熟知していることが、この段階で大いに役立ちました。
結果として、希望額である800万円の資金調達を無事に完了させることができました。この過程で印象深かったのは、社長の事業に対する真摯で前向きな姿勢でした。必要な資料の準備や、事業の現状・将来性についてのヒアリングに対し、非常に協力的かつ熱意を持って対応していただき、私たちも「この社長のお力になりたい」という強い想いを抱くようになりました。
財務分析を通じた課題の可視化~「ビジョンと数字をハッキリさせる」重要性
資金調達が無事完了した後、私たちは単発での業務完了とするのではなく、A社にとってより大きな価値を提供したいという想いから、詳細な財務分析結果をお伝えすることにいたしました。これは、「ビジョンと数字がハッキリしているからこそ事業に対するモチベーションアップにつながる」という私たちの信念に基づく判断でした。
財務分析を通じて明らかになった最重要課題は「利益率の改善」でした。A社の売上高は堅調に推移していたものの、利益率が同業他社の平均を下回っている状況が数値として明確に浮き彫りになりました。
具体的な課題は以下の通り。
1. 現場別収益性の不透明さ 各建設現場ごとの原価を正確に把握されておらず、どのプロジェクトが会社の利益に貢献し、どのプロジェクトが利益を圧迫しているかが数値として見えていない状況でした。
2. 見積もり精度の課題 適切な原価把握ができていないことで、受注時の見積もり段階での価格設定に課題があり、結果として思ったような利益を確保できないケースが散見されました。
3. 間接費配賦の仕組み不足 本社の管理費用や共通経費の各現場への適切な配賦システムが確立されておらず、真の現場収益性が見えにくい状況となっていました。
これらの課題を数値とともにお伝えしたことで、社長にとって「なんとなく感じていた問題」が「具体的に解決すべき課題」として明確になりました(潜在的な課題の顕在化)。私たちが大切にしている「想いと数字の両立」がまさに実現された瞬間でした。
経営者の孤独感と想いのギャップ
財務面の課題分析をお伝えする過程で、社長から経営者としての率直な悩みをお聞きすることができました。これらの悩みは、多くの中小企業経営者が抱える共通の課題でもありました。
1. プレイヤーとしての限界と経営者としてのジレンマ 社長ご自身が現場の最前線で働くプレイヤーとしての役割を担っており、経営者として俯瞰的な立場から自社を見つめ、戦略的な判断を行う時間が確保できない状況でした。「もっと会社を良くしたい、地域に貢献したい」という熱い想いを持ちながらも、目の前の業務に追われる日々に歯がゆさを感じていらっしゃいました。
2. 経営の孤独感と相談相手の不在 経営に関する重要な判断を行う際、客観的で専門的なアドバイスを求められる相談相手が周囲にいないという孤独感を抱えていらっしゃいました。親族や従業員、取引先との関係はあるものの、利害関係のない第三者として経営課題を一緒に考えてくれるパートナーの存在を強く求めていました。
3. 想いの実現化への道筋の不明確さ 「地域に根ざした建設会社として、より多くのお客様に貢献したい」「従業員が働きがいを感じられる会社にしたい」といった明確な想いを持ちながらも、それを具体的な行動計画に落とし込み、実現していく道筋が見えていない状況でした。
これらの悩みをお聞きして、私たちは改めて自分たちのミッションの重要性を実感しました。まさに「前向きで一生懸命な経営者のお力になる」ことが求められている状況だったのです。
社長の心に響いた言葉~想いの可視化の瞬間
私たちからの財務分析結果と課題提起を受けて、社長から心に響く言葉をいただきました。
「改善すべき課題はなんとなく分かっていたけど、目の前の仕事に追われてやるべきことが明確になっていなかった。なんとなく頭でイメージしているだけで、具体的にどこから手をつけていいかわからなかった。でも今日話を聞いて、やっと霧が晴れたような気分です」
多くの中小企業経営者は、課題の存在は感じているものの、日々の業務に追われる中でそれを具体的な改善計画に変換することができずにいます。そして、時間の経過とともに問題が複雑化し、より解決困難な状況に陥っていくという悪循環が生まれがちです。
私たちコダマコンサルティングの役割は、まさにこの「なんとなく」を「明確に」変換することにあります。経営者の想いを具体的で実行可能な計画に落とし込み、一緒に実現に向けて歩んでいく。これこそが私たちの「伴走型コンサルティング」の真髄なのです。
具体的解決策の提案~想いの実現化に向けたロードマップ
社長の想いと課題認識を受けて、私たちは「想いの実現化」に向けた具体的な行動計画を提案いたしました。
1. 現場別原価管理システムの構築 各建設現場の収益性を正確に把握するため、材料費、労務費、外注費、間接費を現場別に集計・分析する仕組みの構築を提案しました。これにより、「どの現場が利益を生み出しているか」「どのような工事を受注すべきか」が数値として明確になります。
2. 月次財務レビューシステムの導入 月次での財務数値の把握と分析を通じて、タイムリーな経営判断を可能にする体制づくりを提案しました。これにより、問題の早期発見と迅速な対応が可能になります。
3. 戦略的思考時間の意識的確保 社長がプレイヤーとしての業務から段階的に離れ、経営者として戦略的思考を行う時間を意識的に確保する重要性をお伝えしました。想いを実現するためには、まず想いについて考える時間が必要です。
4. ビジョン実現のための中長期計画策定 「地域に貢献する建設会社」という社長の想いを、具体的な数値目標と行動計画に落とし込むことを提案しました。
5. 継続的パートナーシップによる伴走支援 これらの改善策を確実に実行し、成果を上げるための継続的なサポートを提案いたしました。
伴走型パートナーシップの始まり
これらの提案をお聞きいただいた結果、社長から「経営相談相手として長期的に関わってもらいたい。一緒に会社をより良くしていきたい」というお言葉をいただき、顧問契約に至ることとなりました。
顧問契約は単なる継続的なサービス提供ではありません。私たちにとっては、A社の想いの実現化に向けて、真の意味でのパートナーとして共に歩んでいく約束の始まりでした。
継続的な伴走支援と具体的成果
顧問契約締結後、私たちはA社との継続的な関係を通じて、提案した改善策の実行を段階的にサポートしてまいりました。
現場別原価管理システムの段階的導入 最も重要な取り組みとして、現場ごとの原価管理システムを段階的に導入しました。いきなり完璧なシステムを求めるのではなく、A社の業務実態に合わせて、実行可能なレベルから始めることを重視しました。
導入開始から3ヶ月後、これまで曖昧だった各現場の収益性が数値として明確になりました。社長にとっては衝撃的な発見の連続でした。同じような規模の工事でも、現場によって利益率に2倍以上の差があることが明らかになったのです。
この数値の可視化により、社長の意識に劇的な変化が生まれました。「こんなに差があるとは思わなかった。これまで感覚で判断していた自分が恥ずかしい」とおっしゃる一方で、「これで改善のポイントが明確になった。やるべきことが見えてきた」と前向きな表情を見せてくださいました。
月次レビューによる継続的改善サイクルの確立 毎月1回の定期的な面談を通じて、財務数値の分析と経営課題の討議を行う体制を確立しました。
面談では、数値の分析結果をお伝えするだけでなく、社長の想いや悩みをじっくりとお聞きし、一緒に解決策を考える時間を重視しています。時には厳しい現実をお伝えすることもありますが、それも含めて社長と共に向き合い、前進していくことを心がけています。
戦略的思考習慣の醸成 日常業務から離れて経営について考える時間を意識的に確保していただくことで、中長期的な視点での事業計画策定にも取り組むことができるようになりました。
社長からは「これまで目の前のことばかりに追われていたが、月に一度でも会社の将来について考える時間があることで、経営者としての自分の役割を再認識できるようになった」とのお言葉をいただいています。
数値で見る改善成果と社長の意識変革
以下のような具体的成果が現れています
利益率の大幅改善 現場別原価管理の実施により、無駄なコストの削減と適正な価格設定が可能となり、全体の利益率が前年同期比で約30%改善されました。これは、私たちが常にお伝えしている「ビジョンと数字がハッキリしているからこそ事業に対するモチベーションアップにつながる」ことの実証でもあります。
受注判断の精度向上 どのような工事を受注すべきか、どのような条件であれば利益を確保できるかが明確になったことで、受注の選別精度が大幅に向上しました。結果として、売上高の増加と利益率の改善を同時に実現することができています。
社長の意識改革と経営力向上 何より大きな成果は、社長の経営に対する意識の変革です。勘や経験に頼った判断から、データに基づく論理的な判断への転換が確実に進んでいます。
社長ご自身も「数字を見ることで、これまで見えなかった課題や機会が明確になった。経営者として成長していることを実感している」とおっしゃっています。
組織運営の改善と従業員の成長 社長がプレイヤーとしての業務から徐々に離れることで、現場責任者や従業員の自主性や責任感の向上も見られるようになりました。これにより、組織全体の成長力が向上しています。
地域への貢献という想いの実現化に向けて
A社の社長が当初から抱いていた「地域に貢献する建設会社でありたい」という想いも、着実に実現に向けて歩みを進めています。
利益率の改善により経営基盤が安定したことで、地域の小規模な工事にも積極的に取り組めるようになりました。また、従業員の待遇改善も実現し、「働きがいのある会社」という目標にも近づいています。
私たちのビジョンである「地域に根差した企業同士が繋がり共に成長して、地域を盛り上げていく」という想いも、A社との取り組みを通じて少しずつ実現されていることを感じています。
この事例から得られる重要な教訓
今回のA社との事例から、私たちは以下のような重要な教訓を得ることができました
1. 小さな始まりの中に大きな可能性がある 単発での借入書類作成という限定的な業務から始まった関係が、長期的な経営パートナーシップに発展したように、どんな小さな接点でも真摯に向き合うことの重要性を改めて実感しました。一つひとつの出会いを大切にすることが、お客様の想いの実現化につながります。
2. 想いと数字の両立が成功の鍵 経営者が抱く想いやビジョンを、具体的な数値や計画に落とし込むことで、実際の行動変容と成果の実現につなげることができます。感情論だけでも、数字だけでも不十分であり、両方のバランスが重要です。
3. 伴走型支援の威力 上から教える先生型ではなく、一緒に考え、一緒に悩み、一緒に喜ぶ伴走型の支援こそが、真の成果と継続的改善を実現します。
4. 継続的関係による複利効果 単発での問題解決ではなく、継続的な関係を通じて段階的に改善を進めることで、より大きな成果を実現できます。改善の効果は時間とともに複利効果を生み出します。
5. 外部専門家の客観的視点の価値 経営者にとって、利害関係のない第三者として客観的な視点からアドバイスを受けられる外部パートナーの存在は、経営改善において極めて重要な要素となります。
コダマコンサルティングの強み~元銀行員×伴走型支援×想いの実現化
今回の事例を通じて、改めて私たちコダマコンサルティングの強みを確認することができました。
元銀行員としての金融専門知識 銀行での9年間の経験により、金融機関の視点を熟知していることが、資金調達支援において大きな強みとなっています。
財務と経営の総合的サポート 単なる資金調達支援だけでなく、財務分析から経営改善、ビジョン実現まで総合的にサポートできることが、お客様にとって大きな価値となっています。
真の伴走型コンサルティング 上から目線で指導するのではなく、お客様と同じ目線で一緒に考え、一緒に行動する伴走型のアプローチが、継続的な改善と成果の実現を可能にしています。
地域密着への想い 地域の発展への想いを共有できることが、お客様との深い信頼関係構築につながっています。
フルリモート対応による全国サポート 宮崎に拠点を置きながらも、フルリモートでの全国対応が可能であることで、より多くのお客様の想いの実現化をサポートできています。
読者の皆様へのメッセージ
この記事をお読みの経営者の皆様、あなたの心の中にはどのような想いやビジョンがあるでしょうか?
「もっと地域に貢献したい」 「従業員が働きがいを感じられる会社にしたい」 「安定した経営基盤を築きたい」 「事業を拡大して、より多くのお客様にサービスを提供したい」
このような想いを抱きながらも、目の前の業務に追われて具体的な行動に移せずにいませんか?
私たちコダマコンサルティングは、そんな前向きで一生懸命な経営者の皆様の「想いの実現化」をお手伝いすることを使命としています。どんな小さなご相談でも構いません。まずはお気軽にお声かけください。
あなたの場合はいかがですか?
一緒にビジョンに導かれる、ワクワクした経営を目指しませんか?私たちの将来が、夢と勇気と希望に満ち溢れた世の中になることを願って、皆様のお役に立てることを心より楽しみにしております。